2009年11月号
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黒猫を連れた魔女見習いのキキが、さまざまな壁を乗り越え成長していくストーリーが共感を呼び、シリーズ累計130万冊に上る人気シリーズ「魔女の宅急便」の完結編が発売されました。1985年刊行の第1巻は、約260万人の観客を動員した宮崎駿監督の同名映画(1989年)の原作になるなど、現在でも多くの子ども達に愛され続けています。
本書では主人公のキキはお母さんになっています。シリーズを通してキキと共に成長した読者は、子育ての悩みに共感することでしょう。キキがこれまで出会った懐かしい人々が次々と登場するのも完結編ならではで、本シリーズファンにはたまらない魅力となっています。
13才の満月の夜に旅立ったキキは、あこがれのとんぼさんと結婚して双子の兄弟ニニとトトのお母さんになりました。個性的な子どもたちに振り回されながら奮闘していますが、その2人も旅立ちの日をむかえます。キキととんぼさん、ジジとその家族、そしてコリコの町の人々がそれぞれの新たな旅立ちを見守ります。読んだ後に「さあ、新しい冒険に乗り出そう」と、次の物語のスタート地点に立ったようなワクワクした気分にしてくれる作品です。
「誰でも魔法をひとつは持っているんです。空を飛べたり、姿を消したりすることはできなくても、自分が好きなことで生きられれば、それは魔法になる。」と、発売後のインタビューで作者は語っています。「見えない不思議」を大切にして欲しいという願いがあらゆるシーンに込められています。シリーズは完結しましたが、人生の節目や新しい家族と共にいつの時代にも読み継いでいきたい物語です。