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外は冷たい雨ですが、店の中は、ぽっくりとあたたかいのです。お客さんがやってきませんので、とこやさんは、椅子に腰かけていました。鏡の中には、すっかり真っ白な髪になってしまった顔があります。小さな町で、店をはじめて、五十年以上がすぎました。
椅子の背に深くもたれかかると、ゆっくりと目を閉じました。
閉店時間になり、店の明かりを消そうとしたときです。
「悪いんだが、たのむよ。」
裏の勝手口から、源吉さんが、笑いながら入ってきました。三軒となりで、瀬戸物屋さんを開いています。正面入り口から、入ってきたことがありません。